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ハンガリーワインの豆知識

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ハンガリーワインの格付け①

ヨーロッパのワインの歴史は長く、ワインに関する法律「ワイン法」が制定されています。

現在のワイン法は1935年にフランスで生まれたAOC法が基礎にあります。

 

かつてのフランスではワインは貴族のための飲み物でしたが1900年代になると一般大衆でもお金を出せばワインが飲めるようになりました。

ワインの消費量は爆発的に増え、フランス国内の供給が需要に追いつかなくなったため、イタリアやスペインからワインを輸入するようになりました。

同時に低価格の偽造ワイン、フランスの有名なワイン産地、ブルゴーニュやボルドーを騙る偽物ワインも出回り、社会的な大問題に・・・

ハンガリーワインの格付け①

こうして偽物ワインを取り締まり、自国のワイン産地の伝統・品質を守るため、ワイン法、原産地統制名称(AOC)が作られることとなりました。

AOC法ではワインの産地を表示できる地方、栽培方法、収穫量、アルコール度数などが定められ、規定を満たすワインのみがワイン産地を名乗れるようになり、ラベルを見ればそのワインの品質がわかるようになりました。

そして2009年、ハンガリー含むEU加盟国内で醸造されたワインはEU統一のワイン法に従うようになりました。この法律に基づきワインは3つのカテゴリーに分類されています。

PDO(DHC・OEM)のワインは、原産地に強く影響を受け、生産地のブドウを100%使用すること。厳格なワイン醸造の規準(ブドウ畑に植えるブドウ樹の本数、収穫量、栽培ブドウ品種、熟成)を満たさなくてはなりません。

 

PGI(OFJ)のワインは、原産地の影響をある程度受けてはいますが、品質は必ずしも原産地に関わる必要はありません。PDOと比較すると醸造の規準はゆるやかで、その土地でできたブドウを85%以上使い、栽培・製造・加工方法において定められた基準は満たす必要があります。

 

WINE(BOR)は、かつてはテーブルワインと呼ばれていました。ブドウの栽培地の指定や醸造の規準は特にありません。

 

ハンガリーには地理的表示付きワインを醸造できる地域が38あり、そのうち32がPDOで、6がPGIになります。PDOには22のワイン産地が含まれています。

格付けの三角の上にいくほど、厳格な基準を満たして造られてはいるのですが、だからといって上等で美味しいワインというわけではありません。ただ、その土地の伝統や特徴を保持している目安にはなるので、呼称に注目してワインを選んでみるのもおすすめです。

 

次回は、ハンガリーワインの中で最も厳しい基準を課せられた「DHC」について詳しく触れたいと思います。

2020年12月01日